夜のはじまり


真澄のプライベートマンション。 

明かりは静かに消され、窓の外からうっすらと入り込む光だけを頼りに、真澄はマヤを自分の元へと引き寄せた。

真澄よりも後にシャワーを浴びたマヤの体は、まだほんのりと温かさを感じる。

真澄の大きなパジャマを羽織っているマヤは、俯いたままで顔を上げようとはしなかった。


「速水さん・・・あたし・・・」

「大丈夫だ・・・俺に任せればいい・・・」

真澄はマヤの言葉をさえぎるように、熱いくちづけを交わした。



今日までの長い長い道のり。

2人が付き合い始めてから、こんな風に夜を過ごすことはなく、ひたすら紳士的に振舞っていた真澄。

彼女をいつもその日のうちにアパートへと送り届け、大切に扱ってきた。

別に、体を重ねることが彼女を傷つける事だと思っていた訳ではないのだが・・・長い間、キッカケを掴めず、

月日が過ぎてしまっていた。

・・・しかし、愛すれば愛するほど、相手を求めてしまうというのは当然のこと。

ちょうど、付き合いだして半年が経とうとしていた今日・・・。


2人はさまざまな葛藤や思いを乗り越え・・・ようやく、この夜を迎えた。


真澄は大きな手のひらでそっとマヤのパジャマのボタンを外していく。

あっという間に胸元がはだけ、彼女の小さな肩からパジャマがはらりと落ちる。

息を呑むほどに白い肌があらわになる。 

彼女の胸を隠している下着のホックを一瞬で外し、肩紐を掴むとカーペットの上に滑り落とした。

「あっ・・・」

慌ててマヤが両腕で胸を覆い隠す。

「見たいから・・・・」

真澄はそう言うと、マヤの両手を無理やりほどく。

マヤの体にちょうど良い、形の整った乳房は、真澄の目を釘付けにさせる。

耐え切れぬ欲望を抑えつつ、真澄はマヤをきつく抱きしめ、息を抜く。


・・・はだけたシャツから見え隠れする、鍛えられた筋肉質の厚い胸元に、マヤの体はすっぽりと隠された。

真澄はマヤの背中を愛しそうに手のひらで撫で回し、サラサラとした彼女の肌のぬくもりを感じていく。


そしてマヤの方は、これから始まろうとしている儀式に、どうしようもない不安と焦りを隠しきれず、少し肩を震わせる。

いつものやさしい真澄が、何やらとても怖い存在のようにも思え・・・。



「愛している・・・・」

真澄はマヤの耳元で囁き、再び彼女に唇を合わせると、今までにないほど激しく、舌を割り入れて彼女を求めた。

何度も角度を変え、マヤの口内に侵入する舌は、それだけで気絶するほど巧みな動きをし、マヤを捉える。


やっと唇を開放され、少し息を吐き出したマヤは、脅えたように真澄を見上げたものの、強く抵抗することはしなかった。


真澄はなるべく彼女に恐怖心を与えないよう、ゆっくりゆっくりと首元に唇を這わせ、下へと降りていく。

真澄に両腕をキッチリと掴まれ、されるがままになっているマヤは、思わず身を固くする。

白いふくよかな胸を微妙な力で愛撫する真澄。じらすかのように、熱い唇と頬で、顔を摺り寄せていく。

そして、おもむろに腰を落とすと膝を床につける体制でマヤを見上げ、彼女の表情を確認しながら、

真っ白な乳房の先にあるピンク色の小さな蕾をついばみはじめた。


「あ・・・ん・・・」

初めてのマヤの体の反応。

真澄は満足気に行為を続けていく。

「や・・・あ・・あん・・・」

マヤの手が強く動かされ、真澄から逃れようとしているのが分かった。

「嫌・・・なのか?」

真澄はやさしくそう囁きながらも、いっそう強く、マヤの蕾を吸い尽くしていく。

「あ・・・うう・・・ん」

悩ましい声を吐き出し、恥らったマヤが腰をくねらせ、首を横に振る。それがまた、真澄の気持ちを高ぶらせていく。


この場所で服を脱がせ、行為を始めてしまった真澄。 彼にとって場所などどうでもよいほどに夢中で彼女を求めていたが

ふと我に返り、彼女の膝がガクガクと震えだしているのに気付いた。


「ベットに行こうか・・・」

真澄はそう言うと、マヤの体を軽々と抱き上げ暗闇を進み、ドサリと彼女の体をベットに横たえた。


マヤを見下ろし、真澄は自ら着ている服をすべて脱ぎ捨てると、マヤの体にゆっくりと重なった。

ほどよく体重をかけられ、真澄の体温をしっかりと感じるマヤ。

胸のふくらみの先の蕾は、ぴったりと真澄の胸元に当たっている。 とても恥ずかしい気持ちで頭に血が上りそうになる。

それを分かっての事なのか、真澄はますます体を押し付け、先ほどの愛撫で感じやすくなった彼女の乳房に顔を埋める。

マヤの体はビクリと反応し、再び真澄の愛撫を期待し、無意識に蕾を少し立たせてしまったようだ。

真澄は、それを合図にしたかのように唇を這わせ、今度はじらす事なく、蕾を口に含んだ。


「あ・・・・んん」

再び声が漏れる。 自分でも訳が分からず、恥ずかしさで顔をそむける。 マヤの両手は、真澄にきつく握られ

自由がきかない状態にされていた。 

真澄は、ついばんでいる蕾にそっと歯を立ててみる。

「あっ・・・あっ・・・あん・・・」

真澄にされるがまま、マヤは乱れていく。


ひとしきり蕾を味わった唇は、マヤの上半身を遊ぶように滑り落ちていった。

唇を這わす度に強く吸い付き、マヤの体に無数の跡をびっしりと付けていく。

彼の唇が通り過ぎた後は、その部分だけ中から熱くなっていくのに、表面の肌だけは冷たさが残る。


今までに見たことのない、マヤの艶かしい姿、表情・・・そして、漏らす吐息。

真澄はそれだけでも十分に限界を迎えそうになり、必死で抑えていた。


マヤの方は、真澄の吐き出した小さな低い声を感じ、こんな気持ちでいるのが自分だけではないのだ、と気付く。

そして、手のひらを合わせて繋いでいる手を、少しだけ強く握り返してみる。


真澄はマヤの気持ちを受け取るかのように、手を握り返した。

そして、その繋いでいた手をゆっくりと離すと、両手でマヤの頬をそっと覆い、愛しそうに彼女を見つめていく。


熱く、やさしい真澄の眼差し。

マヤは、すべてを任そう・・・と瞳を閉じた。


真澄は、手のひらを彼女の肩から胸にかけてやさしくすべらせ、乳房を強く揉み解す。

「は・・・あ・・・・んっ」

そして、先ほどから入念についばみ、吸い尽くしたピンクの蕾を、2本の指で柔らかくつまんで立たせる。

更に今度は唇ではなく、生温かい舌でピチャピチャと音をたてて舐めていく。

「あっ・・・あっ・・・」

マヤが身をよじらせて答える。

真澄は舌を這わせる部分を少しずつ移動し、マヤのくびれたウエスト辺りまで侵入してきた。


そして・・・ゆっくりと、最後の小さな下着に手をかけた。

マヤは、強く瞳を閉じ、覚悟を決めたように顔を背ける。

真澄は片手でマヤの腰をそっと持ち上げ、もう片方の手でその下着を剥ぎ取った。



「・・・恥ずかしい・・・・」

消えそうな声で囁くマヤ。 真澄の視線が、ずっと下の方にあるのが分かる。

「恥ずかしいことじゃない・・・とてもキレイだ・・・」

真澄はそう言うと、マヤの両足をそっと開き、閉じられないように自分の両足を割って入れる。

「あ・・・そ・・・そんな・・・」

大きく開かれたマヤの両足。 それでも足りず、真澄はマヤの両膝に手をあて、より深く押し広げた。

「あ・・・ダメ・・・」

「ダメじゃない・・・」

真澄はマヤの小さな抵抗を流し、彼女の中心部に顔を近づけていく。

マヤは、今自分がどんな格好をさせられ、どこを見られているのか、と想像しただけで逃げ出したいほどに恥ずかしい。

真澄の唇がそこに当てられると、飛び上がるほどに刺激を受け、大きく身をよじらせた。


真澄は割れ目に沿って唇を這わせていく。 

「はあ・・・んんっ」

マヤの声に反応した彼は、今度は巧みに舌を使い、音を立てながら舐めまわしていった。

ピチャピチャと音を出し、唾液で湿った舌は、マヤの中から蜜を誘い出す。

「こんなになってきている・・・」

真澄はそう囁きながら、今度は自分の長い指を使い、蜜をすくい取るようにゆっくりと動かし、まだ触れていなかった、小さな

突起まで濡らすように指を滑らせた。

「うっ・・・・あっ」


マヤの反応を確かめると、真澄は片手の指で谷間を押し開き、もう片方の手の指で突起を転がすように撫でていく。

耐え切れずに腰を揺らすマヤ。 それでも、ガッチリと押さえられている下半身は、ほとんど動かせない。

真澄は指で突起を撫で回しながら、押し広げてあらわになった谷間の奥へと舌を沈めていった。

「やっ・・・・」

マヤは体を反らすようにビクンと反応し、少し腰を引き始める。

真澄は逃がさないように彼女の腰を引き寄せますます奥のほうへと舌の進入を試みる。

「あっ・・・あっ・・・・」

マヤは惜しげもなく声を出し、真澄の舌を体内で感じていく。 

・・・なんという感覚・・・知らぬ間に、マヤはこの行為に対する快感を覚えつつあった。

甘い蜜と真澄の唾液は彼の舌でとろりと絡み、シーツに滴り落ちて泉を作る。

繰り返される入念な愛撫により、彼女は初めてとは思えないほど濡れ、真澄の行動をエスカレートさせていく。


そっと舌を抜き出した彼は、今度は長い指を沈めようと突起から谷間を目指していた。

プスリ・・・と軽く音をたて、吸い込まれていく指。

限界まで押し込んだ真澄は、そこでもっと強く押し入れるように突き刺し、一気に引き抜いては、また奥へと指を入れる。

始めはゆっくりだったこの行為を、だんだんと速めていく・・・。

「ああ・・・・んんっっ」

マヤがひと際大きな声で泣き叫ぶように声を上げた。

何度も何度も、突き上げるように指を押し入れては、抜き出す直前まで戻す。


真澄の中の欲望が頂点に達した時、そっと指は引き出された。

「・・・入れるぞ・・・」

真澄はそう告げると体勢を起こし、マヤの両足首を掴み、思い切り開脚させて彼女を見下ろした。


真澄は、両手をしっかりとマヤの腰にあてる。

そして、固くなった自分自身を、そっとマヤの中心の谷間に当て、その感覚を楽しむ。

まだ沈めることはしない。

そっと上下に動かすと、溢れ出ている蜜を絡ませ、マヤの突起部分まで刺激を与える。

それは、指からでも舌からでもない感覚。

快感と同時に、忘れかけていた恐怖心を思い出すマヤ。

彼女の目蓋がかすかに震えているのを、真澄は見逃さなかった。

ゆっくりとマヤに顔を近づけると、彼女を安心させるかのように、軽く唇を合わせる。

「マヤ・・・少し・・・我慢してくれ」

真澄の囁きに、マヤは目を閉じたままコクリと頷いた。


真澄はそれを確認すると、高ぶっている彼自身を、マヤの中心に合わせ、静かに奥へと向かわせる。

「いっっっ・・・・」

マヤが、想像を絶する痛みで顔を歪める。

それでも真澄は慎重に腰を進め、中へ中へと入り込んでいく。 ここで止めることなど、もはや不可能であった。

「ふ・・・・あっ・・・」

マヤのほうも、真澄を気遣うように必死で痛みの声を殺そうと、手のひらで口を覆っていた。 痛みはあるものの、この行為を

嫌だとは思わなかった。 これが真澄の求めているものであるのならば、すべて教えて欲しいと心から思っていた。


「うう・・・・」

真澄も思わず声をあげる。

マヤの体内は、想像を絶するほどにきつくきつく、真澄自身を飲み込んでいく。


時間をかけてマヤの最奥まで達すると、真澄は軽く息を吐き出し、腰を引き始めた。

「ああっ・・・・」

マヤは衝撃で声を漏らす。

ザラザラとした痛みが突き抜け、とても快感とは思えないほどに辛い。


「もう少し・・・足の力を抜いて・・・」

真澄はやさしく声をかけながら、それでもこの行為に対する快感を体中で感じ、再び奥へ奥へと侵入させる。

「う・・・・ん・・・」

足の力の抜き方も分からないほど、マヤの頭の中は白く、何も考えられない。 真澄をすべて受け止めたい気持ちはある

ものの、それができていな自分が悲しくも思える。


真澄は、できるだけ楽にさせてあげたい気持ちと、このまま一気に自分の欲望を達成させてしまいたい気持ちが交差し、

葛藤を続けていた。

しかし、あまりにも強く締め付けるマヤの温かい体内が、真澄を誘い込んでいく。


「俺の腕を・・・強く掴んでいろ・・・」

真澄はそう言ってマヤの手を取り、自分の腕を無理やり掴ませる。

そして、彼女が力を込めて握り返したのを確認すると、止まらないほどの勢いで強く強く、彼女の中へと自分自身を突いた。

「・・・・!!!」

声にならない痛みがマヤの頭上にまで響き渡り、真澄の腕に食い込むのではないかと思うほど、爪を立てる。

そして、それを離す間もないくらいに真澄の動きは加速していく。

真澄が一定のリズムで突きあげていくのを、マヤは遠い意識の中で痛みと共に感じていた。


そして、時折真澄が漏らす吐息を耳にし、見たことのない彼の表情に、少し興奮を覚える。


どれくらいの時間が過ぎたのかも分からず、繰り返される真澄の動きを受け止めていたとき、彼の手の力がいっそう強まったのを

感じた・・・。 マヤも本能的に、彼の腕を強く握り返す。


真澄は一瞬でマヤの足首を掴み、深々と彼女を開脚させ、腰を浮かせる。

そして、今までにないほど激しく腰を突き動かし、彼女の体を大きく揺らした。

「は・・・やみ・・・さ・・・」

まさにマヤがそう囁いたと同時に真澄は軽いうめき声をあげ、欲望のままに彼女の最奥で絶頂を向かえ、すべてを放出させた。


互いの息遣いが闇の中でうっすらと響いている。

真澄は力を抜き、彼女の足首を解放すると、覆いかぶさるようにマヤの上へと倒れこんだ。

夢中で求め合った素肌には、じっとりと汗がにじみ、2人の髪の毛もペタリと貼り付くほどになっている。

放心状態で天井を見つめているマヤ。

真澄はその顔を覗きこみ、軽く唇を合わせた。

そして、ゆっくりと体を起こし、彼女の中から出て行く。


・・・我を忘れ、マヤの気持ちも無視して暴走してしまったのではないか、という後悔が真澄の胸に突き刺さる・・・。

まるで、彼女を汚してしまったかのような、罪悪感。

真澄は、彼女が余りにも長い間黙り込んでいるので、そんな不安を抱え始めていた。


「は・・やみさん・・・タバコ・・・吸いに行くの?」

唐突にマヤが言葉を口にした。 真澄がぼんやりと体を起こしたままなので、そう思ったのであろう。

「いや・・・後でいい・・・どうしてだ?」

マヤは、潤んだ瞳でまっすぐみ真澄を見つめていた。

「いえ・・・あの・・・そんな気がして。あの・・・もう少し、そばにいて欲しいから・・・」

弱々しい彼女のセリフに、思わず惹きこまれる。

「ああ・・・」

真澄はそう言うと、ゆっくりと彼女の横に体を滑り込ませ、腕枕をして息を軽く吐いた。


何か・・・伝えたいことがたくさんあるのに、言葉が見つからない。

『大丈夫か』 『すまなかった』 『痛かったか』

どれも違う気がする。

ただこうして、ひとしきり終えた行為の後の余韻を楽しむことが、答えなのかもしれない。


彼女を求め、彼女が受け入れてくれたという現実。



彼女のすべてを知っても、まだまだ足りないと思うほど、愛しい気持ち。


マヤの表情は、決して軽蔑していることはなく、より信頼したように彼を見つめ、瞳を潤ませている。



真澄はあれこれ言葉を捜したものの、結局ありきたりな言葉で囁いた。



「愛している・・・・・」







 

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