部屋の中にいるはずの彼女に静かに声をかける。
分からなかった。 開け放たれた引き戸の幅も狭いため、リビングの光も届ききっていないのだ。
「・・あ・・・・やっぱり!もうすぐ止みそうですよ!」
(・・・・雨・・・・・か・・・)
きていたのであろう、と。
彼女にとっての天体観測は、寝室の窓と決まっているのかもしれない。
からかわれて膨れっ面をしていたかと思えば、急に雨の具合が気になり、無言で隣の部屋に向かうなど、 とても真澄には考えつかない、気まぐれな行動。
そう呆れながらも真澄は、そのような予測不可能な行動を起こすマヤを相手にしているのがこの上なく楽しいと 思っている自分に気付く。
彼女のベット辺りに視線を動かしていく。
それは事情としては、よく分かる・・・。
彼女はベットの上で、ひざを折った状態にし、まるで小さな子供が電車内で座席に乗り上げ、外を覗き込むかの ようにしているではないか。
になり、先ほどまで隠していた太ももを はっきりと闇の中で晒している。
出していく。
彼女の小さな呟きが湿り気のある空気を震わせた。
スカートの裾の位置はその動きに比例して捲くれ上がる。 そしてそれは・・・下着が見えそうなほどギリギリのラインでストップがかかった。
男にとって、このような微妙な見せつけほど興奮するものはない。
あったが、真澄は改めてその無防備さを実感する。 こんな出来事が自分以外の他の男と関るたびにあり得ることだとしたら・・・・。
まで近づいていた。
真澄の低い声がガラスを震わせるように響いた。
ハッとしたようにマヤの肩が振動し、黒髪が揺れる。
ちょっと彼女を困らせてみよう、という先ほどと同じような、そんないたずらな気持ちからだったのか。 それとも・・・・自分の中の何かが壊され、化けの皮が剥がれた瞬間だったのか・・・・。 とにかく、すでに手遅れと言えるほど、真澄の理性は この時点で吹き飛んでいたのだ。
ように両手で腰を隠し、パッと足を閉じてヘナヘナと座り込んでしまった。 背を向けた格好ではあるが、おそらく、顔も真っ赤にしているのではないかと想像がつく。
彼女は気付いていないのだろうか。
ここまでされて、何事もなく帰れる男などいるものか!
一つくらいをしておくべきなのだ・・・。 まるで自分を正当化させようとするかのように、真澄の中のもう一人の自分が大きく背中を押した。
たった今まで目にしていた彼女の艶やかな太もも、そして両足の隙間を脳裏に焼きつけたまま・・・。
マヤが軽く振り向いたと同時に、ギシリ・・・と真澄の重みでベットが鈍い音を出した。
そう言って目の前で立ち上がろうとしたマヤを、真澄は腕を強く掴んで引き止めた。
「明るい方がいいなんて、ずいぶん大胆なセリフだな・・・」 腕を掴んでいないほうの手で、ネクタイを緩めていく真澄。
オロオロとしながら言葉を出すマヤに対し、真澄は冷ややかな声で告げた。
ないのか?」
マヤは大きな瞳をさらに大きくさせ、言葉を返してきた。
掴んでいるマヤの手首がビクンと反応する。
「・・・・・」
真澄は強く体を押し付けると、背後から顔を覗きこむようにして、彼女の耳元へと唇を近づける。
かけてはいたものの、その言葉を待つことなく、真澄は彼女の耳たぶにをキュッと吸い上げた。
突然のその感覚に、マヤは体を軽くよじり、かすれたような声を出した。 真澄はすぐに、今度は耳たぶを甘噛みする。
ある意味、感じたのかもしれない。 マヤは、硬く閉じて正座していた足を一瞬で崩し、背中を丸めながら真澄に体を預けるようにしてもたれかか った。
発したばかりの彼女のとろけるような喘ぎ声は、真澄の冷静さを縛り付けるほどに魅惑的なものであった。
すべての部分を自分の手で、指でなぶり、こんな声を出させてみたい。
もはや前回のように未遂で止めることが出来るわけがなかった。
に手をかける。 それだけでも大きな張りのある膨らみを指先で感じ、真澄は昂る気持ちを抑えられなくなり そうで息を荒くする。
に気付く。
消えそうなほど弱々しいマヤの声が闇に響いた。 一回り以上もサイズが違うと思えるほどの小さな手が触れ、真澄は一瞬、我を取り戻しそうになりつつも低い トーンの声で言葉を返す。
マヤはそこまで言うと無言になってしまった。
きっと、”恥ずかしい”とか、”怖い”とか、もしくは”自信がない”などという感情がマヤにはあるのだろうと。 そんな彼女の思いは今まで腐るほど尊重し、待ち続けてきたのだから。
真澄はグイッとマヤが重ねている手をそっとほどくと、ボタンを外しにかかっていた。
マヤがブツブツと声を出している間にも、ボタンは素早く真澄の手で解放されてしまう。 その余りの器用さにマヤは抵抗する隙がなかったのか、あっという間にシャツは大きく全開にされ、真澄は 一気にそれを肩からおとし、袖を抜く。
小さく叫び声が響くと、暗闇の中で、下着姿の彼女が青白く浮かび上がっていた。
真澄は上からその美しく膨らんだ胸元をはっきりと確認し、それから悩ましいほどに すべすべと光る小さな 肩を目にする。
マヤは、そんな部分に温かい唇が触れるという感覚を始めて知ったのであろうか、ゾクゾクと体を奮わせるような 素振りをし、小さな声をあげた。
膨らみを揉み込んでいく。
首から肩にかけて激しいキスの嵐を受け、さらに力強い腕で抱え込まれながら胸を揉まれ、マヤは小さな声を こぼし続けた。 真澄の唇が触れた場所に、次々と紅い花びらが浮かび上がっていく。
更にたくし上げられた下着のフロント部分は乳房を隠すこともなく、もはやそれは下着としての機能を果たさない ものへと変えられてしまっている。
彼は、まるで何かに動かされているかのように、やや乱暴な手つきで下着のホックを外す。
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